開催してから一月ほど経ちましたが、9月4日(日)、加藤歓一郎先生の生誕111周年を記念して、「加藤歓一郎先生から学ぶシンポジウム ~未来へつなげよう魂を」を開催しました。

加藤先生は昭和22年、初代日登中学校(現在は統合され木次中学校)の校長として赴任され、戦後間もない混迷する時代の中、「教育の正しい在り方」を求め、「新しい時代を切り拓くたくましい人間」の育成を目指された日本で指折りの教育者の一人です。

シンポジウムには地区内外から100名を越える方が集まりました。

記念式典のはじめには、先生の系譜や写真をまとめた映像を見ていただきました。

第一部の基調講演では、加藤先生の人生を描かれた『魂の点火者』の著者である福原宣明先生にお話しいただきました。演題は「ご縁の不思議に導かれて」。横浜で教員をしていらした福原先生が、どのように加藤先生と出会い、日登の地を踏み、そして著作へとつながったのか等を振り返ってお話しいただき、大変興味深く聴かせていただきました。



福原先生が加藤先生を知ったのは、日本の哲学者・教育者として有名な森信三先生を訪ねたことに端を発します。そして昭和63年に初めて日登を訪問し、平成6年に『魂の点火者』の前編を、平成10年に後編を刊行されます。

福原先生がお持ちの本には、昨年、惜しまれながら亡くなられた哲学者の鶴見俊輔さんが書かれた帯がついています。



こちらに書かれていることばは下記のとおりです。

推薦のことば  思想家  鶴見俊輔

 日本の村は、日本人のそだてた傑作である。村の中にそだち、一度は国会議員となったが、村にたいする忠誠をうらぎることができず、もう一度村にもどって亡くなった田中正造のように、近代日本百二十年の中の異色の政治家がいる。この人がねうちどおりにみとめられるためには、敗戦とさらに高度成長による公害を日本人がとおることが必要だった。
 
 村をはなれず、村への忠誠に支えられた教育者加藤歓一郎について、福原宣明さんは個人通信「浜っ風」に書きつづけてきた。その文章が一冊の本として世におくられることは、うれしい。

また、著書の中の年表を見ると、森信三先生も、鶴見俊輔さんも日登へ訪れられ、加藤先生との親交があったことがわかります。



島根の山の中の小さな農村が、日本屈指の哲学者たちとのつながりをもって、教育を営んでいたという歴史は、大変価値あるものではないでしょうか?

福原先生のご講演を通して、日登教育と日登教育を基礎とした地域作りを改めて見直させていただきました。

 ***

第2部のシンポジウムは、テーマを「加藤教育から学び、そして、未来へつなげよう魂を」とし、コーディネーターとして元寺領小学校の松本泰治先生(現出雲市立北陽小学校長)、パネリストとして櫻井重康先生(同志社大学人文科学研究員)、本井優太郎先生(兵庫県明石市文化財係、神戸女学院大学・甲南大学非常勤講師)、板持文也氏(日登中学校第一期卒業生、遺徳顕彰会事務局長)にご登壇いただきました。



コーディネーターの松本校長先生は、寺領小学校校長時代に雲南市教育フェスタで「加藤歓一郎先生の教育論」を取り上げて発表をされました。加藤先生の存在に改めて光をあて、小学校の総合学習で教えられるようになりました。松本先生のコーディネートで、パネリストの皆さまそれぞれの視点からの加藤先生をお話しいただきました。

櫻井重康先生は現在、加藤先生と東井義雄先生が後世に残した遺産を整理しておられ、その遺産をどう見て考えたらよいかを調査されています。特に、加藤先生は教育関係の本としてまとまったものを残されていないので、それを形にするために資料を探し、まとめようとされています。たびたび、日登を訪れられ、顕彰資料室にある本や冊子をご覧になったり、加藤先生の教え子である地域の皆さまのお話しを聴かれるなどの研究を続けられ、今回はその一端をお話しくださいました。

本井優太郎先生は、若き歴史の研究者です。島根大学・大学院在学中に日登のことを研究され、「戦後地域社会における教育実践と生活改善-島根県大原郡日登村を事例に-」という論文をまとめられています。教育から語られることが多い加藤先生ですが、本井先生からは歴史という分野から日本を俯瞰的に見たときの「社会運動としての日登教育の価値」をお話しくださいました。

そして、遺徳顕彰会の板持文也さんからは、先生方のお話しを受け、改めて感じる加藤先生への想いなどをお話しくださいました。

参加者には加藤先生から薫陶を受けた方々が並び、掛合からの皆さまからは、高校時代に接した日登出身の同級生が素晴らしかった想い出や、加藤先生の教えを大事に地域づくりをしてきたことなどをお話しくださいました。また、小学生の保護者の皆さまなど若い方々も参加され、初めて加藤先生を知った方などからは「だから、日登はこういう地域だったんだ!」と地域の魅力を改めて感じていらっしゃいました。

 
(掛合からお越しの皆さま)

最後に松本先生からまとめをいただいて、シンポジウムを終えました。

変化する時代の流れの中で、今こうして加藤歓一郎先生のことを、多くの皆さまと学びあえたことを大変うれしく感じております。加藤先生の教えを地域の宝として、これからも大切に地域づくりに励んで参ります。

ご参加いただいた皆さま、ご興味を寄せてくださった皆さま、ありがとうございました!

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